わたしはラーメン屋の店長をしている。
そして、小麦アレルギーなのだ。
小麦アレルギーなので、ラーメンを食べることができない。
ここだけのはなし、うちのお店のラーメンはいちども食べたことがない。
スープも飲んだことがない。
それなのに、今もラーメン屋の店長をしている。
わたしが店長としてたいせつにしていること
わたしは小麦アレルギーで、ラーメンの味見もできない。
小麦粉の舞っているお店にいると、体調が悪くなるときもある。
わたしにできないことは、できるひとにやってもらえばいい。
わたしはわたしのできることを、一生懸命やろう。
わたしにできること、わたしがたいせつにしたいことがこの5つだ。
店長の姿
わたしが目指す店長とは、アルバイトや社員みんなでいっしょに歩むひと。
先頭をきって「みんなついてきて!」ではない。
そのじぶんの目指す姿ってどこからきたんだろう。
そう考えたとき、2つのことがうかんだ。
わたしがアルバイトだったときの店長の姿
わたしは2015年の3月までアルバイトだった。
そのときの店長の姿をすっと見てきて、わたしは店長ってこうなんだってじぶんのなかに落ちたんだとおもう。
その店長は、誰よりも早くお店に来て、誰よりも遅く最後までお店にいる人だった。
それを365日毎日やっていた。
汚い仕事、みんなが嫌がるような仕事をひとりで黙々とやっていた。
威張るようなことはなく、アルバイトみんなをたいせつにしていた。
わたしはずっとその姿を見てきて、店長とはそういうものだと潜在的に思うようになったんだと今、おもう。
はじめて店長をしたときに学んだこと
その後、わたしは社員になったと同時に店長になった。
新店舗の店長だ。
わたしは店長初心者で、お店も開店したばかり。
右も左もわからず必死だった。
アルバイトは全部で30人、トラブルも多い。
お店で決めることはたくさんある。
お店は営業しないといけない。
やることいっぱいある!
ちゃんとしなくちゃ!
そんななか、おもった。
あ、頼っていいんだ。って。
おっちょこちょいで、失敗ばかりのわたし。
泣き虫なわたし。
みんながサポートしてくれていた。
みんながいるからお店を営業することができた。
わたしはわたしのできることを一生懸命やる。
アルバイトの子にできることは、やってもらう。
頼り、頼られ、おたがいさま。
店長もアルバイトも関係ない。
それが等身大のわたし。
背伸びしたってどうせばれている。
店長だからって完璧じゃなくたっていい。
みんなでいっしょに成長すればいい。
これから
わたしはじぶんの食べられないものを売っているのが苦しいと思うようになった。
嘘をついているようなきもち。
わたしは、じぶんにもアレルギーのあるひとも、アレルギーのないひともみんなにやさしいお店をやりたい。
そうおもうようになった。
今はたのしい。
でも次に進みたい。
すこしずつでも進もうとしている。