小麦アレルギーになるまで、アレルギー表示を気にしたことがなかったnacoです。
食品に記載されている原材料を毎回確認するのは面倒ですよね。
でも、確認を忘れたことで、ひどいアレルギー症状やアナフィラキシーを起こすことになりかねません。
今回は、色々な表示方法のあるアレルギー表示の見方を、なるべくわかりやすく説明します。
加工品に義務付けられている表示、推奨している表示、気をつけてほしいことなど、アレルギー表示で小麦が書いてないから安心ではないということも知っておいてほしいなと思います。
もくじ
アレルギー物質の表示の基本
食品にはアレルギー表示がされていますが、まず最初にどのくらいの量が入っていたら記載されるのか、どんな食品に記載されているのか、されていないかを見ていきましょう。
食品表示法では食物アレルギー症状を引き起こすことがある食品のうち、とくに発症者数や症状の重症度が高く、表示する必要性の高い食品7品目を「特定原材料」として定め、表示を義務づけています。
また、20品目を「特定原材料に準ずるもの」として、可能な限り表示するよう推奨しています
アレルギー物質はどのくらいの量が入っていたら表示されるの?
アレルギーの症状のでかた、感受性は人それぞれです。
少量でもアナフィラキシー症状を引き起こす原因になりかねません。
そのため、特定原材料を使っている加工食品は、原則として含有量に関わらず表示をすることになっています。
ただ、その食品に含まれる総たんぱく質量が数μg/mlまたは数μg/g以下であれば表示の必要性はないと定められました。
1mg(ミリグラム)は1gの1000分の1(0,001g)、1μg(マイクログラム)はさらにその1000分の1で100万分の1g(0,000001g)です。
1μg/ml=1ppm(ピーピーエム)です。
1ppmは、100kgに対して0.1g。 1トン(1000kg)に対して1gです。
ほんとに、ごくごくわずかな量ですね。
食品表示法に基づくアレルギーの表示
表示されるもの
- 箱や袋で包装されている加工品
- 缶や瓶詰めの加工品
表示されないもの
- 店頭で計り売りされている総菜やパンなどの包装されてないもの
- 注文して作るお弁当
- アルコール
パック詰めの総菜や、ファーストフードなどは、小麦が含まれていても表示されない場合があるので、気をつけましょう。
酒類もアレルギー表示がないので、ビール以外も気をつけてください。
こちらの記事に麦をつかっていないお酒を書いてます。
参考にしてみてください。
ビール以外も危険!小麦アレルギーの人は他のお酒も注意してね
急な原材料の変更に注意
加工食品は、急に原材料を変更することがあります。
以前食べたことのある食品でも材料が変更されて、知らないあいだに小麦が使われていることがあります。
あと、似たような食品でもメーカーによって原材料がちがうことがあるので、必ず油断せずに確認しましょう。
パッケージにお知らせもなく、変更があるんだよ〜
原材料のアレルギー表示が義務付けられている食品
アレルギーの表示は「食品表示法」に基づいて、法律でアレルギーの表示制度が決められています。
絶対に表示をしなければいけない記載義務のある食品、できれば表示したほうがいい推奨する食品があります。
「特定原材料7品目」と「特定原材料に準ずるもの20品目」
アレルギー表示は、食物アレルギー症状を引き起こすことのある食品のうち、とくに発症者数や症状の重症度が高く、表示する必要性の高い食品7品目を「特定原材料」として、表示を義務づけています。
小麦、卵、乳、そば、落花生、えび、かにの7品目です。
小麦はこの7品目のうちの1つなので、必ず記載されています。
調味料、添加物に使用される場合も、必ず記載されているはずです。
そして、7品目以外の20品目を「特定原材料に準ずるもの」として、可能な限り表示するよう推奨しています。
食品添加物にもアレルギーの記載義務
この記載義務は、食品と食品添加物にも該当されます。
特定原材料7品目に由来する食品添加物については、表示義務がないキャリーオーバー及び加工助剤に該当する場合であっても、最終製品まで表示する必要があります。
キャリーオーバー
原材料中には含まれる添加物のうち、最終製品においてその効果を失っているもの。
加工助剤
・最終的に食品として包装する前に食品から除外されるもの
・食品中に通常存在するものに変えられ、その成分の量が食品中に存在する量を増加させないもの
・最終食品中に、ごくわずかなレベルでしか存在しないもの
アレルギーの表示方法は2通り
アレルギー表示はすこしややこしいです。
原材料は、重量割合の多いものから表示されます。
アレルギー表示は原材料欄に、個別表示か一括表示のどちらかの表示方法で表示されます。
例えば、カツサンドの場合の原材料を見てみます。
使われている原材料が以下のものだとします。
個別表示の場合
個別表示は、原材料のすぐ後にカッコで(〜を含む)、添加物の場合は(〜由来)と表示されます。 アレルギー物質が何に含まれているのかわかります。
一括表示の場合
一括表示だと、原材料欄の最後にまとめて表示されます。 どの原材料に、何のアレルギーが含まれているのかわかりません。
アレルギー物質をわかりやすいように表示されている
原材料表示とは別に、パッと見てわかりやすいようにアレルギー表示をしてある食品もあります。
新しい食品表示法の猶予期間
「食品表示法」は平成27年(2015年)に定められた法律です。
平成30年の今現在は、移行猶予期間中となっていて、旧基準と新基準が混ざっている状況です。
平成32年(2020年)の3月31日までに、加工食品・添加物の表示は新しいものに統一されます。
この新しい表示法については、別で記事を書く予定です。
小麦アレルギーで小麦を除去している場合に注意すること
特に小麦アレルギーなどで小麦を除去している人に、注意してほしいことです。
小麦アレルギーの場合、ライ麦・大麦などに交差反応することがあります。
小麦とタンパク質の構造が似ているライ麦や大麦などは、小麦アレルギーと同じ反応がでることがあります。
ですが、大麦などが含まれていても、小麦の表示はされません。
大麦、ライ麦などを除去している人は気をつけてください。
ただし、小麦にアレルギー症状があるから、大麦にもアレルギー症状があるとは限らないので、ほんとうなら食べてみてどうかを確認するといいです。
でもアレルギー症状の出かたは人それぞれで、食べてみるのが怖いと思います。まずは、かかりつけの医師に相談してみてくださいね。
コンタミネーションの注意喚起表示
原材料表示の枠外にコンタミネーションの注意喚起が書いてあることがあります。
原材料としては使用していないにも関わらず、特定原材料等が意図せずに混入してしまうこと。
原材料表記の枠外に
などと書いてあることがあります。
- 同一製造ライン使用によるコンタミネーション
- 原材料の採取方法によるコンタミネーション
- えび、かにを捕食していることによるコンタミネーション
原材料としてアレルギー物質をつかっていなくても同じ製造ラインなどでアレルギー物質を使っていて、ごく少量のアレルギー物質が混入するなどの可能性を書いているものです。
ごくわずかなアレルギー物質の摂取が重篤なアレルギー症状を起こすの方への注意喚起表示ですが、このような製造工程で製造された商品を食べてもよいかという判断は、症状の違いや体調にも左右されてしまうので、かかりつけの病院の主治医とご相談くださいね。
わかりにくい表示や用語について
小麦を除去するにあたって、わかりにくい表示や用語について説明をします。
注意するレベルを段階で色分けしたので、参考にしてみてね
注意(小麦・大麦をつかっている) 確認が必要(小麦がつかわれているかも) ほとんどが大丈夫と言われている(ごくまれに小麦がつかわれているかも)
グルテン 要注意
グルテンは小麦などの穀物に含まれるタンパク質であるグリアジンとグルテニンが結合したもので、小麦などの主要なタンパク質である。
でんぷん 小麦をつかっていないか確認が必要
じゃがいも、葛、とうもろこし、小麦、さつまいも、米、サゴヤシ、キャッサバなどを原料に作られる。
水あめ ほとんどがコーンスターチ
主にとうもろこしデンプン(コーンスターチ)が使われ、デンプンを酸や酵素で低分子の糖質に加水分解(糖化)して精製・濃縮されたもの。
麦芽水あめ 注意(大麦をつかっている)
昔ながらの手法でつくったお米に麦芽を加えてつくったもの。
麦芽 注意(大麦をつかっている)
大麦を発芽させたもの。
麦芽糖(マルトース)ほとんどがとうもろこしやじゃがいも
とうもろこしや、じゃがいものでんぷんから作られる。
製品によって小麦由来の酵素を使用する場合がありますが、小麦タンパクは1ppm未満など、残留していても微量であることが多いとの意見があります。
【小麦を含む】と表示されていなければ、小麦は使用されていません。
たんぱく加水分解物 小麦をつかっていないか確認が必要
肉、魚、大豆、とうもろこし、小麦などのタンパク質を酸や酵素で加水分解して作られるもの。「うまみ調味料」として使用。
植物性タンパク 小麦をつかっていないか確認が必要
小麦、大豆を原料として製造。
酵母エキス 注意(大麦をつかっている)
主な原料は、ビールの製造過程で出る使用済みの大麦の酵母など。それらを分解抽出した成分。
小麦は特定原材料です。
小麦をつかっているものは(小麦を含む)と記載しなくてはいけません。
たとえば、原材料に「でんぷん」とあって(小麦を含む)の記載がなければとうもろこしなどのデンプンをつかっているということになります。
※ルールをきちんと把握して、きちんと記載している会社のものを選ぶことが安全だとわたしは思います。
ポテトチップスの原材料です。
たんぱく加水分解物のあとに(大豆を含む)と書いてあります。
大豆は「特定原材料等27品目」なので、記載したものです。小麦が使われていれば(小麦を含む)と書かれています。
食品添加物
モルトエキス 注意(大麦をつかっている)
ほとんどが大麦麦芽ですが、ごくまれに小麦麦芽を使用。
【 小麦を含む】と表示されていなければ、小麦は使用されていませんが、大麦をつかっています。
ごくわずかなアレルギー物質の摂取が重篤なアレルギー症状を起こすの方は、商品に小麦が含まれているのか心配でしたら、製造元に確認してみてくださいね。
わかりにくい用語
キャリーオーバー
原材料中には含まれる添加物のうち、最終製品においてその効果を失っているもの。
加工助剤
・最終的に食品として包装する前に食品から除外されるもの
・食品中に通常存在するものに変えられ、その成分の量が食品中に存在する量を増加させないもの
・最終食品中に、ごくわずかなレベルでしか存在しないもの
コンタミネーション
原材料としては使用していないにも関わらず、特定原材料等が意図せずに混入してしまうこと。
アレルギー表示のまとめ
原材料表示に記載されているアレルギー表示のことを、今回記事を書くにあたってすごく調べて勉強しました。
今まで疑問に思っていたこと、知っているつもりだったけど知らなかったこと、いっぱい知ることができました。
このアレルギー表示を理解することができると、買い物のときにすごく役立つとおもいます。
アレルギー表示の難しさも理解できました。
小麦アレルギーの人の症状や、食べられないものがひとそれぞれ違うので、すべての人に安全な書き方にすると、今度は食べられるものまで除去しないといけないということが出てきます。
醤油が食べられる人は「一括表示」で(小麦を含む)と書いてあると、醤油だけに小麦が入っているのかわからなくて困っています。
「個別表示」になるとその商品のどれを除去すればいいかわかる 食べられるものが増える
小麦表示がなくても、大麦やライ麦が入っていて食べられない人もいます。
アレルギー表示に「大麦使用」と注意書きをする 小麦だけ除去の人も、小麦・大麦除去の人、どちらにもやさしくてハッピー
メーカーの方は、わたしたちのちいさい声に耳をかたむけてもらって、もっと選びやすい表記になるといいなっておもいます。
そういう商品が増えてくれるといいなぁ。